Cello Love

〜もしもチェロが弾けたなら〜

チェロ・ラブ

Cello Love

50の手習いで始めたチェロ。この7月で3年になりますが、昨年末にバイク事故で左小指を骨折したので、思わぬハンディを負うことに。

ポジティブで優しい私の先生は、「(小指を使わなくてもいいように)第2ポジション、第3ポジションの練習が出来ているので、だいぶ先の課題をこなしていますよ」と励ましてくれるのですが、なかなか予後が悪く、もう小指は使えないかなと、最近はちょっと悲観ぎみです。

『Cello Love〜ニューヨーク・チェロ修行〜』(石川敦子・パレード)を読んだのがきっかけで始めたチェロですが、将来はこの著者のように、アマチュア楽団に参加できたらな、とかいう夢は、確実に遠のきつつあります。(涙)

まあしかし、最近ようやく気が付いたのですが、先生はチェロという楽器を通じて、音楽の楽しさを教えてくれているんだなと思い直して、ちょっと音楽の勉強もしてみようかなと、改めて決意したところであります。

チェロ指板の音域とポジション

子どもの頃は、ギターを触っていたので、それなりに楽譜も読めたような気がするのですが、習ったわけではないので、楽典というか、音楽の基礎がありません。教室では、『鈴木チェロ指導曲集』で習っていて、今、2巻の終わりかけなのですが、ここまで、ほぼ曲の丸暗記、つまり耳コピでなんとかこなしてきました。

で、先日6歳の娘が「パパ、チェロへただよね〜」というので、いやまったくそのとおりなのですが、いやいかんいかんと日頃の練習不足を反省して、まずは何となく弾いていた指板のポジションを自分なりにきちんと理解してみようと、こんなイメージをつくってみました。

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チェロ指板の音域とポジション

へ音記号、あまり馴染みがないですね。バイオリンは、C線がなくて、G線、D線、A線にE線が入るらしいので、1オクターブ音域が高そうです。ギターの音域に近いのかな。

バイオリンの高音域は華やかでハリがありますが、チェロの音の特徴は、やはり低音域にありそうです。

宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』に、病気の野鼠の子をチェロの孔から中に入れて、ゴーシュが「ごうごうがあがあ」弾くと、野鼠の病気が治ってしまうという場面がありますが、なるほど、大太鼓なんかと同じで、低い周波数は体に共鳴するような心地よさがありますよね。大太鼓は音圧もすごいですけど。

人の耳には、20Hz以下の音は聞こえないそうですが、チェロのC線は66Hz、ピアノの一番低い音が27.5Hzらしいので、チェロの低音域はかなり優秀?ですね。ちなみに、男性の話し声が、90Hzから130Hzだそうで、これはだいたいG線の音域に重なっています。宇宙戦艦ヤマトの「さらば地球よ〜♪」の最初の音がG線の開放弦、というとイメージしやすいかも。私もG線の音が一番シックリくるというか、弾いていても気持ちが良いです。

A線の周波数は 220Hzで、中央ハの音、C4が 261.626Hzということで、上級者はA線の上の方(第5ポジション、第6ポジションとか、意味はわかりませんがフラジオとか)でかなり高音域もカバーできそうですが、第4ポジションのソの音 G4が391.995Hzで、初心者的には、この辺りがとりあえずの高音域の天井となりそうなので、それで、チェロの楽譜はだいたいヘ音記号なんですね〜。

チェロでこの曲を弾くことの意味を考える

楽器にはそれぞれ固有の音域、それに音色があって、また管楽器のように調が固定されている楽器もある。作曲家は、それぞれの時代において使うことのできた楽器の特性を活かして、曲を書いたのでしょうね。

テキストの2冊目に入った頃だったでしょうか。先生が「チェロでこの曲を弾くことの意味を考えて弾いてみましょう」と言われたのが、何だかとても印象的で、意味がわからないなりに、「そうか、そういうことか」なんて、妙にやる気が出たのを覚えています。

あれから、また1年以上たって、最近、あれはチェロという楽器の特性を活かして、演奏してくださいね、という意味だったのかなと、思えてきたのですが、気が付くのが遅いですよね。(笑)

まあ、小学生が高校の授業を受けているようなものですから、そんなもんです。

チェロのフィンガリング

気が付くのが遅いと言えば、第1ポジション、云々というのも、今回、指板のイメージの上に音名を書いてみて、初めて何となくシステムがわかったような気がしました。

ギターだと、5フレット目(2弦は4フレット目)で次の弦の開放弦と同じ音になりますが、チェロはもう少し指板の位置が高くなりますね。もちろん、チェロにはフレットがありませんが、思っていたより、ずっと高い位置でした。

これは、ギターの各弦の音程差が3度(3弦と2弦は2度)なのに対して、チェロは各弦の音程差が5度あるからなんですね。たぶん、チェロの音域の方が1オクターブ以上低音域なので、音を下げていくのにそれだけ弦の長さが必要なのでしょう。

そのため、例えばギターのブルースのアドリブのように、5フレット目からでも、7フレット目からでも自在にスケールをあやつるというようなことは、やろうと思えばできそうですが、あまり実際的ではなさそうです。

なので、チェロでは、基本的には、低音域は、第1ポジション、中音域で、第2ポジションまで。第3、第4ポジションは、高音域で使うのでしょうね。

曲の理解と演奏上の工夫

最近、レッスンを受けていてよく思うのですが、実は、楽譜には実践的な読み方があって、これは習わないと、譜面を眺めるだけでは、わからないですね。

作曲家の指示は、すべて楽譜に書かれているのですが、楽器の演奏者には、その楽器特有の奏法上の都合もあるので、もちろん作曲家は、そういった楽器の特性もすべて考慮して、曲を作り上げているのですが、演奏者の方でも、許される範囲で、もっと言うと、より音楽性を高めていくために、譜面を解釈する余地があって、自分の演奏に落とし込んでいるんだなと、感心してしまいます。

音楽を楽しむ

何事も、いろいろ勉強していると、自分の世界が広がって、楽しいですよね。今は、ネットがあるので、気軽に一流のミュージシャンの演奏に触れることもできます。音楽という世界共通の言葉で、泣いたり笑ったり、励まし合ったり、そういう何となく忘れていた体験も、またできるようになって、チェロを習い始めて本当に良かったなと思います。

小指は使えるようにならないかも知れないですが、私なりに、曲を理解して、ハンディを乗り越えていけたらなと。

ヨーヨーマ、チェロを身近に感じさせてくれる世界的なチェリスト。いつも、明るく大人な感じなのがいいですね。6歳年上の先輩です。こういう歳のとり方をしたいものだなぁと、いつも思っています。

 

 

では、皆さんも素敵な音楽人生を!